遊園地から帰って来た後、私は学校を1日だけ休んだ。

何となく、英吾と顔を合わせたくなかった。


- 付き合ってどうするんだよ! 
  由乃は結婚もできず、子供もできず。
  後悔する人生を送るんだぞ!    -


英吾の言葉。

胸に突き刺さって、痛かった。

実の弟と付き合うって言うのは、そう言う事。

人並の人生が、送れないかもしれないって事。

なんだろう。

体が重い気がする。


すると、玄関が開く音がして、階段を昇っている足音が聞こえた。

きっと、理人だ。

「由乃。」

ほらね、当たった。

返事をしないと、部屋のドアがゆっくりと開いた。

「寝てるの?」

私は、寝返りを打って、理人に手を伸ばした。

「理人。」

理人は微笑んで、私の側に来てくれた。