「先生……………おはよう。」

昨日は、早くから布団に入って………グッスリ眠ったから

ちゃんと起こされずに目が覚めたの。

隣を見ると、随分前に起きたで有ろう先生の顔。

いつから起きてたんだろう??

向かい合ってニッコリすると

「そろそろ本気で、悠くんて呼ばない?」と

ちょっと不服そうな顔。

「だって、先生が幼稚園で間違えないように『先生』でって
言ったんだよ?」

「でも、もうみんなに報告しちゃったから
間違えても問題ないでしょう?」って。

確かにそうだよね。

婚約したこと、保護者にも一斉メールを流したって言ってたし。

コソコソしなくて良いんだよね?

だったら………

「悠くん、おはよう。」

もう一度ニッコリ笑って挨拶すると

「あぁ~良い!!
奥さん、って感じがしてきた!!」って……キスの嵐。

今日からは、ずっとこんなに甘い生活になるのかな?

元々、優しくて甘い人だけど………もっとそうなりそう。

でも……

『この愛情は、いつまで?』って……悩まなくて良いんだよね。

ずっと一緒。

「朝から何を考えてる?
俺のキスに慣れたなら、大人のキスをしちゃうよ。
キスで子供は出来ないから、園長に文句を言われないしね。
恥ずかしがっても、明日も明後日もずっと一緒だから
ホッペにキスの時みたいに、会ってくれない心配もないからね!
しちゃおう!!」

「えっ!あっ!!
ちょっと待って。
…………ここが………悠くんの隣が、唯の居場所なんだなぁって思ってたの。
離れる心配をすることもないんだって……。
目が覚めた時、隣に居るのが悠くんで幸せだなぁって。」

「そんな可愛いこと考えてたんだ。
だったら余計我慢できないよ。」

そう言うとキス。

だんだん深くなるキスは………

ずっと前に、一度だけされたキスだった。

「びっくりした?」

固まる唯の頭を撫でて

「焦らなくても、ゆっくり大切に大人にしてあげるよ。」って……。

もしかして………

昨日悩んでたこと………分かった??

相変わらず、エスパーのような先生に驚きながら

婚約して、ちょっとだけ進んだ二人の関係に

ドキドキしたの。