連れてこられたのは、高級マンションの1室だった。



「ここは……?」


「俺の家だから安心して」


「煌くんの家っ!?」



独り暮らしにしては広くてキレイすぎる部屋に驚きが隠せない。


もっと、古いアパートで……みたいのを想像していたから。


家具もすべてセンス良くそろえられていて、高校生のひとり暮らしなんて到底思えない。


煌くんは、どうして一人暮らしをしているんだろう……?


……と。さっきからあたしはずっと気になっていた。



「あの、救急箱ありますか?」


「救急箱?愛莉どこかケガしたのか?」



サッと表情を曇らせる煌くんに、あたしは首を振る。



「あたしは大丈夫です。でも、煌くんがっ……」