ケータイ小説 野いちご

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溺愛総長様のお気に召すまま。

甘いのが、好き。



バリッ、バリッ……。


静かな部屋に、キュウリを噛む音が響く。


うわぁ。

音が出ないように気を付けてるけど、やっぱり難しいな。


そっと顔を横に向けると、煌くんがあたしにじっと視線を注いでいた。



ここはあやめ。


あの事件のあと、お昼になったらここへ来ること……という煌くんの命令で、お弁当を一緒に食べるようになって早1週間。


初日は緊張しすぎちゃって、ぜんぜんご飯が喉を通らなかった。


だって、男の子とふたりきりでご飯とか、ほんとに無理で。


いくら煌くんに慣れたとはいえ、あたしにとってはまた新たなハードルだった。


和気あいあい……なんてなるわけなくて、基本静かなあやめ。


今みたいに自分の咀嚼音が響くのも、耐えがたい苦痛。


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