楠木を好きだと自覚した日からも、特にお互いの関係は変わることなく文化祭がやってきた。



私のクラスには楠木がいるから、案の定女性客がたくさん来て大繁盛。



このままいけば売り上げ一位も夢じゃないらしい。



「あの…写真お願いしてもいいですか?」
「私も撮りたいです!」



そして必ずと言っていいほど、女の人たちは楠木に写真をお願いする。



……気にくわない。
モヤモヤする。



「あっ、珍しい。
恵美ちゃんが怒ってるね、ヤキモチだ」



そしたら隣から陽菜の声が聞こえてきて、はっと我に返った。



「ヤキモチ…?
全然そんなのじゃないから!」



あいつなんかに嫉妬してたまるか。



なんて思うけど、楠木に触る女の人もいてイライラが募るばかり。