この想いを閉じ込めると決めた。


彼の行動は優しさ故のものだから、特に意味ないことなのだから、言ってしまったら困るから。



数日が過ぎ、今日は学校で夏期講習を行うので、夏休みだけど全員学校へ行かなくちゃいけない日。



「おはよう」


朝、目が覚めて挨拶すれば、両親が優しく微笑む。



──私はこの家族が大好きだ。


耳が聞こえなくなっても、変わらずに接してくれるお母さんとお父さんが大好きだ。


私はそんな家族の一員になれてとても嬉しい。



「おはよう、日和。今日は早いのね」


「うん。今日は夏期講習なの」


「そうなんだね」



この様子を見る限り、まだ私は大丈夫。



ちゃんと発音出来てる。


やはり耳が聞こえないから自分が話せているかという不安は常にある。


日々、ちゃんと発音の練習をしないと、きちんと話せなくなってしまうから。