あたしの声を遮った低いその声に、あたしも横沢くんもピタリと足が止まった。


低い声のその人、あたしがよく知ってる___…。



「あ…。」


「滝本…?」



あたしは目を見開き、横沢くんは怪訝そうな顔をして彼の名前を呟いた。


そう、声の主は滝本くんで。


腕組みをして、校門の前に立っていた。


滝本くんは、眉間にシワを寄せていてなんだかとってもとっても怖い表情をしている。


な、なんで滝本くんがここに?


委員会や部活のない生徒はもうとっくに、帰っている時間なのに…。


滝本くんは、横沢くんをまっすぐに見つめ…いや、何故だか睨んでいる…。


そして滝本くんは表情を変えず口を開いた。



「悪いけど。今日こいつ、俺と帰る約束してんだ。」


「えっ?」



そ、そんな約束したっけ?


あたしは思わず首を傾げる。



「はっ、何言って「そーゆーわけだから、じゃーな横沢。」