「あわわわわっ〜〜!!」
どっバーン!と水しぶきが飛ぶ。
「セレナ大丈夫〜!?」
パタパタと茶髪の天然パーマの少女が私のもとへと駆け寄ってくる。
彼女の名はエマ。
今は訳あって二人でスライム退治に出かけている。
「だ…大丈夫だけど…。やっぱり魔物の除去は大変だね」
私は水びたしの修道服をゆっくりと持ち上げながら小さな沼から脱出する。
「さっき駆除したのって低級魔物のスライムだよね。すぐ逃げるかと思ったら意外としぶとかったねー」
「うん。でも村の近郊にいたやつはみんな退治したから村長に伝えないとっ」
––今は学院から離れているが私たちはシャンディ王国にある「ロゼリア魔法学院・初等部」の学生だ。
なんで私たちがこんな遠い村まで来て魔物の退治をしているのか。
それはほんの数日前に遡る–––。