【玲於side】

「大丈夫か?ゆっくり休め」

奏音はまるで死んだかのように、ぐったりしている。ちょっと衝撃的すぎたかな。でも、このまま結婚したら、大変だからな。仕方ない。今は頑張って乗り越えてくれ。


俺は、里穂に奏音を紹介され、同じマンションだと知った時は正直かなり驚いていた。ただ、咄嗟に思いついたのは、隣人が奏音とわかっていたことにしたことだ。何故なら、里穂が勧めたマンションだから、里穂には何か企みがあると悟ったからだ。


それから、俺は、里穂の策略にはまったふりをして、奏音に近づいた。里穂には、奏音に言われたように気付かないふりをした。


俺はそんな中、最初は冗談だっだが、次第に無我夢中で、翼を信じ頼りにしてる奏音を愛おしく思うようになった。奪いたくなった。


だから、一緒に引っ越して同棲するかという提案は、本気だった。
里穂のなんだかわからない策略から、奏音を守るために。


里穂は一体何をするつもりなんだろう?


あ、そうか……
俺はバカだ。
愚かだった。


翼、翼の影があるってことは、あいつもグルなんだ。里穂と翼が俺を利用して、何かを企んでいるんだ。