6.ずっと一緒?!

本当に来るのか半信半疑のまま店内で待っていると、カウンター席から外に面したガラスの向こうにひょいっと彼の上半身が現れた。

さっきまで雑誌の中にいた彼が突然目の前に現れて、思わず驚いてカウンターの丸椅子からずり落ちそうになる。

そんな様子を見ていた醍は嬉しそうに手を振りながら笑った。

な、なんなのよ!

私は慌てて雑誌をバッグにしまい、カップの乗ったトレーを返却口に戻すと店の外に出た。

「ごめん、急に連絡なんかして」

長身の彼は私を見下ろしながら、申し訳なさそうに苦笑しながら頭を掻く。

1週間ぶりの彼は、やはり眩しかった。

雑誌の中の醍よりも実物の方がずっと自由でキラキラしていると思いながら、すっと視線を逸らして尋ねる。

「一体、どうしたの?」

「ああ、うん。すぐそこに路駐してるんだ。ここじゃなんだから、車でゆっくり話すよ」

「え?あ、うん」

彼に促されるまま、路駐している彼の車に乗った。

相変わらずきれいな車内には革の香りと、ほんのり彼のオーディコロンの香りが漂っている。

どうしていつもこういう展開になるんだろう。

自分の意思と関係なく、気がついたら彼のそばにいる。

ハンドルを握る彼の横顔を盗み見ると、以前よりも少し緊張しているように見えた。