「晃佑帰るの?」

「うん」

「一緒に帰って一緒に宿題しよ!」

「なんで一緒なんだよ」


晃佑(こうすけ)。

わたしの幼馴染。

赤ちゃんの頃からずっと一緒で、ついに高校3年間もずっと同じクラス。


近所に同じ学校、同じクラスの人がいることのいいところは、学校に置いてきた教科書を借りれること。

それから、授業のペースが同じだから、いろいろ教えてもらえること。


「晃佑〜ここ教えて」

「そこさっきやったじゃん」

「分かりにくい」

「じゃあ聞くな」

「ごめん!教えてください晃佑先生」

「それはそれでうざい」


晃佑は頭がいいから、わたしにとって晃佑の存在は必須。

だから時々、晃佑はわたしにとって、“ 透明 ”な存在だなって思うことがある。

空気みたいな存在。

一緒にいて当たり前だから、一緒にいることに意識はしていないけれど、なくてはならない大切な存在。


「晃佑」

「ん?」

「わたしたちって透明な関係だよね」

「は?」


唐突にそう言ってみた。


「なんの話?」

「わたし思うんだよね、感情って色があるよね」

「今この問題に関係ある話?」

「ううん、全然」

「相変わらず唐突…」