ケータイ小説 野いちご

社内溺甘コンプレックス ~俺様社長に拾われました~

♡深夜の強引な告白

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 最近、なんだか様子がおかしい。

 突き抜けるような青空が広がっていると思ったら急激に黒い雲が押し寄せて雷雨になるし、名取さんがやたらと視線を注いでくるようになったし、そうかと思えば社長からは仕事中に恨みがましいような目で見られるし……。

「ああもう、全然当たりませんね天気予報」

 大慌てで駆けこんだ駅の入口には、突然の雨に降られてずぶ濡れになっている人がちらほら見受けられた。ハンカチを取り出し、濡れた肩やバッグの水滴を払う。幸い雨が降り出す直前から走り出したおかげで、私たちの被害は最小限だ。

 一緒にクライアント先に出向いていた営業マンが、小さくくしゃみをした。

「使いますか?」

 私が差し出したハンカチを一瞥して、名取さんは「いや、いいよ」と首を振る。それから最近の習慣のように『探るような視線』を注いできた。


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