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ツンデレの高山さんがなかなかデレてくれません!5

パーフェクトゲーム

「高山さん!俺と勝負しよう!」



放課後、俺はぼんやりと窓の外を見ている高山さんに声をかけた。



「構わないが、何を賭けるんだ?」



高山さんはつまらなさそうに答える。



「学食の唐揚げ…!」



唐揚げと聞いた瞬間、高山さんは俄然やる気が出たようだ。



「良いだろう。勝負の内容は、心理じゃんけんでどうだ?」



「心理じゃんけん?」



「ああ。私が先に、何を出すか宣言してじゃんけんをする。しかし私が宣言した手を出すかどうかはわからない、というものだ」



高山さんがニヤリと笑う。



「なるほど、心理戦ってことだね。わかった」



「では、私はチョキを出すことにしよう」



高山さんのことだ、まず宣言した手は出さないだろう。となると、高山さんはグーかパーを出すことになる。チョキに勝てる手はグー…つまり、俺が高山さんを信じ込んでグーを出すと考えて向こうはパーを出してくる。

こちらが出す手は

チョキだ!



「じゃあ、いくぞ。…じゃんけん、ぽん」



高山さんの手は

チョキだった。



「なっ…!」



絶対にチョキは出してこないと思ったのに!



「あいこだな。じゃ、もう一戦」



高山さんは涼しい顔をしている。



「次は、グーを出そう」



冷静に考えよう。高山さんは、今ので俺が悔しがって今度は裏をかかずにパーを出すと考えるだろう。

ならその裏をかいて、高山さんは俺がグーを出すと仮定し、パーを出すに賭ける!



「じゃんけん、ぽん」



高山さんの手はグー



俺の手はチョキ



「くっそぉぉぉぉぉ!」



高山さんは実に満足げに笑った。



「では、賭けの清算をしようか」



「…はい」



がっくりと肩を落として食堂に歩いていく神坂を見て、高山さんは思っていた。



私はじゃんけんで負けた奴が唐揚げを奢るなんて言っていない、と。

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