「好きになっちゃったんだ?」

そう聞いてきた陽葵ちゃんに、
「…はい、好きになりました」

私は答えた。

「なので、どうすればいいのか教えてくれませんか?」

姉を行きつけのバーに呼び出した私は彼女に問いかけた。

「どうすればって、言われても…」

陽葵ちゃんはこっちが聞きたいと言う顔をすると、ミモザを口に含んだ。

「だって、こう言うのは陽葵ちゃんにしか聞けないから…」

「いや、他を当たりなよ」

陽葵ちゃんは呆れたと言うように息を吐くと、
「それで、社長とどこまで行ったの?」
と、聞いてきた。

「どこまでって訳じゃないけど、“君が隣にいると安心する”って言われた」

「確かに、それは気になる発言だわ…」

陽葵ちゃんはうんうんと首を縦に振ってうなずいた。