それから2週間後、重役会議が行われた。

この場に呼び出されたのは、営業課の田原だった。

社長を始めとする重役たちににらまれている田原は、自分がどうしてこの場に呼び出されたのか理解できていない様子だった。

「どうして君が呼ばれたかわかっているかな?」

そんな様子の田原に向かって、社長が口を開いた。

「えっ、えーっと…」

戸惑った様子で口を開いた田原に、私はやれやれと思いながら息を吐いた。

やっぱり、気づいていないらしい…。

と言うかさ、自分がやったことでしょうが…。

社長はもう1度口を開くと、
「君のこと、全部調べさせてもらったよ」
と、言った。

「し、調べた…?」

そのとたん、田原の顔が青くなった。