ケータイ小説 野いちご

彼氏がいなくなった

3.「彼氏がいなくなった」





「遅えよ多香。探したぞ」




 火葬会場の門からおぼつかない足取りで現れた私に、てっさんはムッとした表情で告げた。


 常日頃タンクトップやTシャツの軽装備も、今年最強の大寒波を前にして、珍しく黒のダウンを着ていた。その下は白いシャツを着ていて、いつも伸びきった服をまとっているくせに、心底似合わないと思った。

 伸びっぱなしのロン毛を括っていた彼はヘアゴムを取り、煙草に火をつけるとそれを口に咥える。


「辛いんなら泣き言の一つ吐いて良いんだぞ」

「…」

「俺も理解するのに相当時間かかったし。何より献身的に支えてたあいつが一番、なんでって思ってはいただろう」

「…」

「いやしかし」










「鬱病の母親に腹刺されてぽっくり、とはね。
 生みの親に殺されるってのはさぁ、どんな気分なんだろうな」

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