それからほとんどのクラスメイトたちが動画を見終わり、【駅前の公園に集合】と、みんなに呼び掛けたのは森元だった。


森元の性格からして、予告された人たちが気掛かりで誘ったというわけじゃないことは分かってる。


それでもひとりでいるよりはマシだと、みんな公園へと行くそうだ。ちづも佐藤さんのことが心配だと言っていたので、私たちも指定された場所に向かうことにした。



外に出ると、空は夕暮れ時になっていた。


肌にベタベタとまとわりつくような蒸し暑さに顔を歪めながら、遠くのほうで鳴いているひぐらしがなんとも切ない気分にさせる。



私の家から公園までは徒歩で約15分。先ほどの動画の余韻が残っているせいで足取りは重く、体感時間はもう少し長く感じた。



公園に着くと、半数以上のクラスメイトたちが到着していた。


おそらく、ほとんどの人が自転車で来たのだろう。敷地内に方向も揃えずに乱雑に置かれている。



「佐藤さん、大丈夫……!?」

「……小島さん」 


ちづは佐藤さんの姿を見つけると私から離れて彼女の側にいった。