ケータイ小説 野いちご

世界で一番似ている赤色



しばらく無言で机を動かしていたけれど。


大和くんはやっぱりわたしが一番してほしくないことをしてきた。



「なー今日の掃除当番誰? 何で女子1人にやらせてんだよ!」



彼の大声が、教室に響きわたった。


隅にたまっている男子や、ベランダにいた女子の視線が集まる。



「たぶん俺?」「俺かも」「てか他の女子は? なんでいねーの?」



じゃれあっていた掃除当番の男子たちが、そわそわ動き出した。


彼らが机を動かしてくれたおかげで、ものの数分で掃除が完了した。



残っていた女子がわたしを見て噂話をしている。


嫌な予感がした。


わたしに掃除を押し付けた女子たちに伝わるかもしれない。


大和くんがわたしを助けたって。



「余計なことしないでよ」



本人にぶつける勇気が無くて、誰にも聞こえないよう1人つぶやいた。


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