帰りのSHRが終わってクラスメイトがみんな帰っていく。



こんな気分で帰る日がくるとは思ってもなかったな。



萌や太一とも別れて1人で帰り道を歩く。



こういう時ほどすぐに家に着いてしまうもの。



いつもよりゆっくり歩いたつもりなのに、もう家に着いてしまう。



なんでこんなにも早いんだろう。



家の扉の前に立ち止まる。



ここからの一歩がなかなか踏み出せない。



入ってしまえば後戻りはできない。



...頑張れ、勇気を出せ自分。



心の中で自分で自分を励ます。



そうでもしないと絶対に踏み出せない気がするから。



深呼吸して意を決して扉を開けた。



緊張がピークに達して手が震えた。



「ただいま~」



玄関には柊くんの靴があって、もう帰っているという証拠。



なるべく平常心でいこう...。