ケータイ小説 野いちご

俺が意地悪するのはお前だけ。

◆悪魔の訪問






 嘘だ……。


 あの悪魔が――蓮が、同じ高校に編入してきたなんて。


 誰かお願いだからこれは悪い夢だって言って!


 憂鬱な気分を引きずったまま学校帰りにショッピングモールへ立ち寄り、少しでも気分を晴らそうと大好きな雑貨屋巡りをしたものの、気持ちは沈む一方で。


 それでも真っ直ぐ帰れば、隣の部屋に蓮がいる。


 引っ越しの荷解きをするよう命令されたことを思い出すと、どうしてもすぐ帰る気になれず、夕方過ぎまで時間を潰して、おそるおそるマンションに帰宅した、ら。


 玄関のドアを開けて、家に上がるなり、そこで更なる衝撃を受ける羽目になった。


「あ、お父さんとお母さんの靴がある……」


 珍しいな。ふたり揃って、この時間帯に帰ってきてるなんて。


 玄関口に置かれた両親の靴を見て、珍しいこともあるもんだなぁと呑気に思いながら、廊下を歩いていたら。


 リビングの方からワイワイと賑わう声が聞こえてきて、嫌な予感にドアの前で足が止まってしまった。


 何故ならば――。

< 31/ 254 >