ケータイ小説 野いちご

俺が意地悪するのはお前だけ。

◆悪魔が嫉妬?






「上手に作れますように……」


 作業机の上に並べているのは、スイーツデコのモチーフに使う写真とそれを作るのに必要な材料たち。


「牧野さん、今日は何を作るの?」


「えっとね、一昨日の部活で途中まで制作してたスイーツデコの続きだよ。樹脂粘土を乾燥させるのに2日置いてたの。相原さんは?」


「私は入院してるお婆ちゃんにあげるパッチワークのクッションを縫おうと思って。仕上げは家のミシンでやるけど、簡単な所まではここでやってくつもり」


 家庭科被服室の長方形のテーブルの向かい側の席に座っているのは、同じ1年生の相原さん。


 銀縁の眼鏡フレームと、顎の下で切りそろえたミディアムボブ。校則をきちんと守って、ピシッと制服を着こなしている彼女は、クールで物静かな女の子。


「それにしても、今日も先輩達こないわね」


「そうだね……」


「もともと、部に所属しないといけない決まりのせいで、名前を置いてるだけの幽霊部員みたいなものだし、いないのにもすっかり慣れたけどね。私達だけでもしっかり活動しましょう。ね、牧野さん?」


「う、うんっ」


 コクコク頷き、用意してきた材料に足りないものがないか確認し直す。
相原さんはパッチワークに使う生地をショップ袋から取り出し、黙々と作業し始めていた。

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