ケータイ小説 野いちご

俺が意地悪するのはお前だけ。

◆プロローグ






 男の子が苦手になったのは、隣の家に住んでいた「悪魔」のせい。



「おい、ブス。何こっち見てんだよ」

「お前いっつも泣きべそかいてばっかでウザい」

「つーか、何調子こいて俺のこと無視してんの? 泣かすぞ」



 悪魔からの嫌がらせが続いたのは、幼稚園の頃から、アイツが転校する小6の終わり頃まで。


 奴の正体は、同じマンションの『701号室』に住む、同い年の幼馴染み。


 内向的な性格で、いつも何かに怯えたようにビクビクする私の態度が腹立つのか、何かと執拗に絡まれ、毎日のように泣かされていた。


 どうして悪魔に目をつけられていたのか、理由は謎。


 物心つく頃には、既にターゲットにされていたから。


 髪の毛を引っ張られたり、お気に入りのおもちゃを取り上げられたり、大人がいないところでたくさんいじめられてきた。


 悪魔との思い出は、常に泣かされた記憶しかない。


 目が合うだけで「ブス」って言われ続けたせいで、男の子と目を見て話すのがこわくなった。


 舌打ちされると反射的に身構えて怯えてしまう。


 意地悪されて泣く度に、ため息混じりに「ウザい」と言われ、理不尽さに腹立つものの、報復を恐れて何も言い返せずにいた。

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