「全く…黙ってりゃカッコいいのに、口開けば調子良いことばっか言って」

「でも、それでも蓑島くんはカッコいいな。ああいう明るいひょうきんなイケメンもありだよー。一緒にいたら楽しそう」

「まあ、気取って無口…みたいなよりはマシかもね。…あ、ごめんごめん星月。別に水口のことを言っているワケじゃないよ?」

「と、斗弥子!関係ない話…それ、ブッコミでしょ!それ、言う?」

「ごめんごめん。あはは」

「…ごめんって思ってないでしょ!」



…あぁー。ビックリした。

斗弥子のヤツ、急に…!



…急に、瞳真の話、ブッ込まなくたっていいでしょうが。

もう。宿泊研修の時に、盛り上がってつい、二人だけに話してしまったことに後悔するよ。

今の私の恋話…。




その後、担任の先生が教室に来て、ホームルームが始まる。

久々の先生の、久々の話を聞きながら…その、斗弥子にブッ込まれた話のことを考えてしまう。



(あぁ…)



いつまで、この状態を続けるのか。

偶然にも同じ高校に入ってしまったから。

正直、しんどい。




しかも、部活も一緒で。

毎日顔を合わせるし…。




(………)



…いや、何があったとか、そういうワケじゃないんだけど。

瞳真とは。



ただの、仲間。

同じサッカー少年団で、一緒にサッカーをやっていた仲間。

小学校、中学校、ずっと一緒の幼なじみ。



…の、はずなのに。




私だけ…私だけが。

そうではない、ということに気付いてしまった。