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もし明日、世界が終わるとしたら。

世界の最後を迎えるのだとしたら。



誰と一緒にいたいですか?




…私は、最後にサッカーをおもいっきりやりたいと思った。



照り付ける日差しの中で、どこまでもボールを追いかけて、走って。

青い芝生の匂いを、おもいっきり吸って。



悔いは残したくないと思った。



…悔い?



それとは同時に、悔いを残したくないことが、もうひとつあった。




それは…瞳真と。



…瞳真と何もわかり合えない、このままの状態で。

もう会えないのは、嫌だと思った。



私と瞳真のサッカーで繋がった約十年間の歴史を、こんなカタチで終えるのは嫌だった。





そして。



せっかく生まれた『好き』の気持ちを。

伝えずに、生を終えるのは絶対に後悔すると思った。



蓑島くんの言うとおり。

蓑島くんにどれだけ大切にされて溺愛されていようが。

私の頭の片隅には、いつだって必ず瞳真がいた。




ただ『好き』なだけじゃない。

今までの大切な時間を過ごしてきた、とても大切な人。



その事に、気が付いた。