知らず深い溜め息が漏れる。一体どういうつもりで凪がああ言ったのか。今まで、わたしの行動を縛るようなことは一切なかった。

短大の時の彼氏だって、デートするのにくっ付いて来るような真似はしなかったじゃない。アキラさんとだって、もう何度も逢ってるのを知ってるくせに。

「・・・わけ分かんない」

声に出てたんだろうか。

「えっ?! ゴメン、そのフォーマット分かりづらかった?!」

向かいのデスクの井上さんがオロオロとこっちを見ていた。

「あ、いえっ。すみません、大丈夫です!」

笑顔を向けると、安心したようにパソコンに視線を戻す彼女。心の中で謝りつつ。わたしも雑念を振り払って、モニターを睨んだ。