「葛城さん、私はいいですよ、駅で。あ、美玲は家まで送ってもらいなよ」

「何言ってんのよ。涼香、あんたも送ってもらうの」

「高瀬様、ちゃんと御自宅まで送らせていただきます。後で私が有里華お嬢様から叱られてしまいます」

葛城さんも、送ると言って聞かない。

「私、お嬢様じゃないんだけど…」

「いいのよ。葛城、先に涼香から送ってもらえる?」

「かしこまりました」

葛城さんは、返事すると静かに車を出した。

美玲は慣れたもんだ。

先に送ってもらった私は、葛城さんにお礼を言って車を降りた。
降りた車の前に、もう一台黒塗りベンツが停まっていた。

うーん。

なんでここに、こんな高級車があるのか。

周りの人が、驚いて見ている。
そうよね、リムジンとベンツが停まってるんだもんね。

マンションに入ろうとした時、ベンツから一人派手な女性が降りてきた。

「涼香!おかえりー!」

「え?瑠璃?」

抱きついてきた。