初めて会ったのは入学式。学校の中案内されて「後は、自由に見回ってください〜」って言われて勝手に見回ってた時、音楽室から話し声が聞こえて綺麗なピアノの音が聞こえた。
「ピアノの音……」
思わず足止めてしばらく聞き惚れてると
「あれっ?新入生?」
嫌いだ、直感的に思った
「なになに、もう俺の噂立ってんの?」
「いや、そんなわけなくね〜?」
いち、にい、さん?三人かな?男子生徒が出てきて
「俺、三年の柴田よろ〜」
「あっ俺は二年だから加古馬」
「あっちでピアノ弾いてるのが二年の奏」
聞いてない…
「聞いてませんが?」
「へっ?」
「だから名前、聞いてないし」
「そっか〜、だよね〜」
だったら名乗らないでほしい
キーンコーンカーンコーン
ベルなった…
「教室、行こ」
「またねっ 琴ちゃん?」
後ろから声が、聞こえたけど無視していいよね

***
「皆さん、学校の中はどうでした?中々綺麗でしょう、まだ建ったばかりですからね」

教室に入るなりいきなり先生が話し始めて高校生最初のホームルームが始まった。

(……でも正直どうでもいい、授業がないならさっさと帰りたい)

そんなことをぼんやり考えながらふと頭に浮かんだのはさっき音楽室で聞いたピアノの音

「綺麗……だったな」

それと同時に二人?三人?の男子たち

なんというか、……(思い出したくない!)

そして帰り際には

『またねっ、琴ちゃん?』

って何なのもう…………なんであの人、私の名前知ってたんだろ?