日がゆっくりと沈み空はオレンジ色に染まっていく。それは次第に町にも染めわたり、真っ白の障子や草木、ボロボロの電柱もみるみると空と同じ色になっていく。

そんな中、公園で小さい男の子数人が楽しそうにはしゃいでいた。
子供が元気に遊んでいる、とても微笑ましい状況、子供の笑い声は世の中の平和の象徴にも思える。そういう風に思わせられる力がある。

たが、その子供達の笑いは効果と全く反対のことを指していた。
三人の男の子は自分達より一回り小さい男の子を囲んで、あらゆる方向から蹴りをくらわしていた。


「おい!"へにょへにょ章太"!なんで学校に来るんだよ。お前みたいな気持ち悪い奴が学校来てんじゃねぇよ!」


「そうだそうだ!悔しかったら殴り返してみろよ〜。まっ、そんなこと出来ないだろうけどね〜。」


その一言で三人はまた笑う。先程より高く楽しく、空に向かって笑った。

土埃だらけの少年は、乾いた土に涙を零しながら弱々しく蹲っていた。
立ち向かう気力は感じられず、背中を丸めて小さくなっていく。消える寸前の灯火、少年の心はズタボロだった。


「お前みたいな弱くて気持ち悪いやつはさっさと死ねばいいんだよ〜。だ〜れも悲しまないからさっさと死んじゃえば?」