「紺野(こんの)さん、好きです。付き合ってください」 廊下ですれ違ったことしかない隣の隣のクラスの男子生徒がわたしに頭を下げている。いわゆる告白されている。 正直いって、わたしはモテる。 高校2年に進級して、5月が終わろうとしている。 ここ2週間で、同じクラスの男子2人、隣のクラスの2人に告白された。 そしてこれで5人目。 わたしは返事を即答できる。 「ごめんなさい」、と。