ケータイ小説 野いちご

ルリタテハの瓶

二章 憐美

目の前に男が現れた。

艶のある黒い髪に、長い白衣の、あまりに美麗な彼を前に、ぼくは絶望した。

「ぼくは、死ぬんだ」

「ぼくは、しぬ、しぬ」

彼の冷酷な視線を無視し、ぼくは自分の眼を、ぐちゃぐちゃ とくりぬいた。

もうなにも、見えないように。

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