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櫻井 奏「田中くん?」
田中 宇宙「奏!早かったんだ!」
櫻井 奏「早めに上げてくれて。なんでいるの?」
田中 宇宙「え?いやー、家近いし!一緒に帰ろう」
櫻井 奏「え、」
周りを見る。あ、あの子って。
ラブレターの子。
櫻井 奏「いや、先帰ってて。やっぱ部活もどる。」
田中 宇宙「…。合唱コンクールのこと!話!あるんだけど。」
櫻井 奏「‥。わかった。、なに?」
パートリーダーを務める以上。話を聞かないわけには行かない。
田中 宇宙「えっと。そう!歌が決まったよ!瑠璃色の地球になった!」
櫻井 奏「んー、歌いやすいし。いいんじゃないかな!」
田中 宇宙「だよね!俺もそう思ったんだ!明日から練習始まるけどどうするの?」
櫻井 奏「とりあえず歌詞覚えてパート連挟んで合同でいこ。」
田中 宇宙「安定のスタイルだな。」
櫻井 奏「うん。」
田中 宇宙「放課後練習する?」
櫻井 奏「いや、部活あるから無理。田中くんも生徒会あるんじゃないの?」
田中 宇宙「俺は!パートリーダー優先するよ!」
櫻井 奏「…。そっか。流石、生徒会長って感じ」
私は。クラスよりも。他のパートリーダーよりも。自分を取ってしまった。
颯斗先輩の話を聞いてから、文化祭が来るのが待ち遠しい。
他のことが色あせてしまう。
田中 宇宙「?」
櫻井 奏「ごめん、私は部活優先は、変わらない」
田中 宇宙「え?奏、部活そんなに行ってなかったじゃん。もしかして、あの後輩の子?」
櫻井 奏「金田のこと?いや、違くて」
田中 宇宙「うん?」
櫻井 奏「文化祭。覚えてるかな?田中くんの一個前の生徒会長が来るの。」
田中 宇宙「え。佐倉生徒会長?」
櫻井 奏「知ってたの!そう。下手な歌、聞かせられないし」
田中 宇宙「奏!俺は…」
お母さん「あれ?宇宙くんも一緒なの?」
田中 宇宙「奏のお母さん!こんにちは」
お母さん「おかえりなさい!久々ね!」
田中 宇宙「お久しぶりです!」
櫻井 奏「じゃあね。田中くん、さっき何か言いかけてなかった?」
田中 宇宙「え。あ!またな!」
櫻井 奏「?またね、」
お母さん「あら、もう行っちゃうの?今度うちに遊びに来てね」
田中 宇宙「はい!ぜひ!」
田中くんは、礼をすると背を向けた。