ケータイ小説 野いちご

高校生活全てにおいて!

はじめ
ラブレター

櫻井 奏「田中くんに?」
後輩「はい!宇宙先輩に渡してもらえませんか?」
今。12時40分。昼休み。
後輩に、田中くんにと、ラブレターを渡してほしいとせがまれているなうです。
櫻井 奏「え。自分で渡せば?」
後輩「お願いします!もしかして、櫻井先輩も好きなんですか?」
え。どうだろ。
たかが、幼馴染。
でも、宇宙っていうのは、ちょっとやめてほしいな…。
私も幼少期は、名前呼びだった。
でも、大人になるにつれて。
田中くんへと変化した。
あれ。そういえば。田中くんも、はじめは苗字で呼ばれるの、嫌がってたってけな。
懐かしい。
後輩「先輩!お願いします!」
櫻井 奏「最後ね。渡すだけだからね。」
後輩「ありがとうございます!」
はあ。これで何回目だろ。
文句言ってやろ。
ーーーーーー
田中 宇宙「は?」
櫻井 奏「だから!後輩から。渡してって。」
田中 宇宙「いらない。」
櫻井 奏「は?いやいや、こまるし、」
田中 宇宙「いらねーよ。第一、自分で来ないっつーのも信じらんねーし。」
あれ。なんか不機嫌かも。
櫻井 奏「あんたさ、モテすぎ。もう、6.7回目だよ。ラブレター渡してって頼まれるの。」
田中 宇宙「知らねーよ。」
櫻井 奏「こっちの身にもなりなさいよ。しかもね!毎回毎回。好きなんですか?とか聞かれてさ。」
田中 宇宙「…。なんて答えてるの?」
櫻井 奏「幼馴染。決まってるでしょ。」
田中 宇宙「‥。いらない。捨てといて。」
櫻井 奏「は?いや待ってよ!困るって…!」
もう、いないし。
はあ。宇宙。どうしちゃったのかな。
宇宙には、2.3年前に彼女がいた。
それはそれは、可愛い子で。お似合いだった。
その頃に、私はいじめを受けた。
宇宙の彼女が、仲いい私に嫉妬して、始まった。
ノートや教科書が隠されたり、体育着がなかったり。どーでもよかったけど、心底応えた。
その頃からだろう。宇宙を、田中くんと呼ぶようになったのは。
ーーーーーー
田中 宇宙「奏!一緒に帰ろう。」
櫻井 奏「帰らない。田中くんとは、もう帰らない。」
田中 宇宙「‥?なんで、急に苗字なの?」
櫻井 奏「田中くんは!彼女と変えれば…」
田中 宇宙「何かされたの?あいつに。」
櫻井 奏「もう。名前で呼ばない。」
田中 宇宙「なんでだよ!おい!」
櫻井 奏「田中くん。ばいばい。」
ーーーーーー
その後すぐに、別れたらしいけど。
いじめはひどくなった。
田中くんも、その後私の名前どころか、苗字すら呼ばなくなった。
田中くんの彼女が、最後に
「宇宙くんは!私なんて見てなかった!あんたのせいで振られたのよ!恨んでやる!」
って言ってたのは、いつになく呪いの言葉だろう。
意味すらわからないが。
「はあ。捨てとくか。」
バサッ。
この音で、だいぶ厚かったラブレターが、本当に重かったのがわかる。
この子も。哀れだな。
ねえ。田中くん。
誰のラブレターなら、よむの?

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