第2話 チンピラサンタ ムサシ






「こちらムサシ。完了した。」


<相変わらず仕事が早いなお前は。
もう一服中か?>


「寒い夜に外で吸うのが好きなんでね。」


<ポイ捨てはするなよ。
じゃあ帰りも気をつけて。>


「御意。」


間もなく日付が25日へと変わろうとする頃、

子供達にプレゼントを届け終えた1人のサンタが、人目につかない路地裏で至福の一服をしていた。


彼の名はムサシ。


仕事には定評があるが、口の悪さと、子供にとって害しかない“煙草”を吸うサンタとして、

仲間達からは“チンピラサンタ”と呼ばれていた。