第3章 3匹の家来






「桃太郎。」


村を出て、海へ向かおうと森の中を進んでいる桃太郎を呼び止める声がありました。


「・・・・。」


桃太郎が呼ばれた方を振り返ると、
木々の間を縫って1匹の犬が現れました。



「・・・ついに行くのか。」


「・・ああ。」


桃太郎の答えに、犬が一歩近づきます。


「ならば私も連れて行け。」


「・・・生きて帰れるかどこにも保証は無い。

お前は幼き頃から共にこの村を・・この森を駆け回った友。

そんな所に・・・お前を連れて行くわけにはいかない。」



桃太郎の言葉を聞き、犬はゆっくりとその足を動かして桃太郎の足下に歩み寄ります。