ケータイ小説 野いちご

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生徒会長時給850円!

卒業式

バレンタインデーも終わり、楽しい日々は砂時計のように、さらさらと流れていった。

気づけばもう2月28日。明日は3月1日……そう、卒業式。

生徒達が授業を受けている間、私は1人、生徒会室の掃除をしていた。

黒板消しが真っ白になっていたので、窓を開けてパンパンと粉を落とす。独特の匂いを発しながら、風に乗って粉が舞う。何だか日直みたいなことをしているが、これも一応、生徒会長のバイトだ。

夜宵君と初めて言葉を交わした放課後。あの日も確か、日直だったと思う。

本当に慌ただしい1年だった。高校で衝突し、悩んで中退して、生徒会長のバイトを始め、色んな人達に出会って……。

日直というのは、定期的に回ってくる面倒な仕事だ。学生時代、私もよく憂鬱になっていた。何故か自分の番になるのが早かった気がする。

黒板消しの粉を落としたら、次は床を雑巾で拭いて……。本当に、まるで日直気分だ。

でも、そんな日々も明日で終わりか……。寂しいとか言ったら、じゃあ俺達の代わりに日直の仕事やれよと言われそうだが、実際心に寂しさがある。この学校からも、この町からも、私は去っていくのだから……。

黒板消しについていたチョークの粉が、遠くへ飛んでいった。

私は気持ちの整理をし、窓を閉めた。

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