ケータイ小説 野いちご

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生徒会長時給850円!

事件の真相

文化祭が無事終了し、ほっとしているのもつかの間、とうとうこの日を迎えてしまった。

1月25日。そう、犯人と決闘の日。そのはずなんだが、犯人がアホすぎて、いまいち緊張感がわかない。そもそも、本当に今日、現れるのだろうか。来たとして、何時にやってくるのだろうか。



『1月25日。この日に決着をつけよう。腹立たしい生徒会を消す日だ。』



もしこの脅迫状を書いたのが犯人なら、一体どこのどいつなんだ……。アホなことに違いはなさそうだが。



そんなこんなで放課後。久しぶりにTCBの5人が生徒会室に集合している。

「兄ちゃん、犯人来るかな?」
「ないとは言えん」

兵藤兄弟がそう言い、私は足を組んで「んー」と唸った。昼休みにも5人で待っていたが、犯人らしき人物は来なかった。

犯人が現れないまま、時間は過ぎてゆく。やっぱりデマなのか? そう思っていると、三波君がふっ、と笑みをこぼした。

「そう言えば、先日の文化祭でのミスター・夜宵はとても可愛らしかったです」
「え!? 僕!?」

イケメンに微笑みを向けられ、思わず驚く夜宵君。

「ええ。魔法使いの格好、大変魅力的でしたよね、ミス・エミリオ?」
「ふぁ!? あ、ああ、よかったよ、とても……」

いきなり三波君に話を振られ、私は赤面してしまった。可愛かった、可愛かったんだけどさ! 本人を目の前にすると、恥ずかしくて堂々と「はい」と言えなかった。

「やよちゃん、すっごい似合ってたよね!」
「うむ。あれは男でも惚れるレベルだ」

兵藤兄弟も絶賛のコスプレである。

「あ、ありがとう。何だか照れちゃうなぁ……」

そう言いながら頭をかく夜宵君。その姿も可愛いよ。

「あ、でも僕は本物の魔法使いにはなりたくないな! やっぱり30歳までには卒業しておきたいし!」
「へいちゃん……それ、魔法使いの意味違うだろ……」

本物の魔法使いじゃないだろそれ。流石はTCB、1日に1回は下ネタが飛び交う。

「私も魔法使いになりそうで怖いです……」
「いや君は1番ない!」

その美貌で何ということを口にするんだ。君が魔法使いになるなら、世の男性も全員魔法使いだ。

「俺もなりそうだ……だが、せめてサトルよりは先に卒業……」
「だから! 僕の方が先にヤる……」
「やめなさい! どっちが先でもいいから!」

全く……この兄弟は何を言っているんだ。兄弟で下ネタを言い合うとは……。というか、兵藤君は相変わらず前髪を下ろしているが、上げるつもりはないのだろうか。せっかくイケメンなのに。

「僕ももし本当に魔法使いになったらどうしよう……」
「君もないから安心しなさい!」

ついには夜宵君までもが不安そうにし始めた。彼なら大丈夫だろう。可愛いし、彼女くらいすぐできる……いや、できて欲しくないな……あわよくば私が…………いやいや落ち着け私! 夜宵君とそんな…………!

私がよくないことを考えかけ、慌てて首を振っていると、急に大きなノック音が響いた。



コンコン!!



「まさか犯人か!?」
「それにしては堂々としてますね……」

兵藤君と三波君の言葉の後、私はごくりと唾を飲み込んだ。こんな普通に登場してくるのか、犯人よ……。私は少し身構えて、ドアの付近へ向かった。

しかし、私が開けようとするより先に、向こう側からドアが開かれた。

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