体育祭の時期がやってきた。



結局、莉緒の足は当日になっても治る予定はなさそうで、いろんな競技の補欠に入れられたらしい。




悪いことをしてしまったな、と心から思うんだけど、莉緒自身はあまり気にしていない様子。







莉緒が襲われたあの日から、莉緒は少しよそよそしくなったようだった。




多分、いろんなことを不安に思い出したんだろうけど…。




あの泣き方は異常だったし、その日の夜も離してくれないし。



何かがあったのは間違いないんだけど、それを聞けるほどの関係性でもないし、首を突っ込む理由もない。




言いたくなったら、聞いてあげよう程度に構えている現状。





「…奏多、女子が呼んでるぞ」




体操服に身を包んだ時雨が俺に向かって言う。




体育祭当日の賑やかさは異常で、さっきから女の子がめちゃくちゃ話しかけてくるんだけど…。




「何かな?」