ケータイ小説 野いちご

冷たい幼なじみが好きなんです

溢れさせるだけ無駄なのに



次の日の朝、竜に昨日のことをもう一度謝ったけど、まったく気にしていないようだった。


それどころか、なぜか楽しそうに笑ってた。

「笑の幼なじみ、あんな感情的になるんだな~」なんて言って。


竜はすごく驚いただろうに。

物心ついたときからずっと遥斗と一緒にいるのに、遥斗があんなにも感情的になるところを、わたしでさえはじめて見たのだから。


本当は、あれが本来の遥斗の姿なのかな。

今まで優しかった遥斗は、偽物なのかな。

そう思ってしまうほど、わたしを壁に追いやり、壁を叩きつけた遥斗は怖かった。


もう絶対絶対、どんな理由があろうと遥斗以外の男の人を家に入れてはいけないと思った。

なぜそんなことを言うのかは、未だに正確な理由はわからないけど…。


“今までどおりなんて、できるわけないだろ”
“俺はお前が──”


ねえ遥斗。

わたしは言いかけたあの言葉に、なにが続くのか、わかるよ。

──嫌い。

…って言おうとしたんでしょ…?


あのとき、お母さんが帰ってきてよかった。


もし遥斗に二度も“嫌い”なんて言われたら…わたしはもう立ち直れなかったと思うから──。


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