ケータイ小説 野いちご

冷たい幼なじみが好きなんです

可愛い自分でいたいから



保健室でのあの出来事から、一週間が経った──。


“行くな”
“そばにいろ”


あの出来事がきっかけで、遥斗がどれだけ百合ちゃんが好きか………わたしは思い知らされた。


あの瞳も温もりも言葉も声も………すべてが百合ちゃんを好きだと叫んでた。

わたしは百合ちゃんと間違えられただけ………。
それなのに、自分を求めてくれたと勘違いして、はずかしい。ばかみたい………。


わたしが遥斗の心に入る隙間なんて、少しもないんだ。

この先も、ずっと………。


そしてこの先、遥斗と百合ちゃんはよりいっそう仲を深めていくんだ。

わたしの知らない遥斗を、百合ちゃんは知っていくことになる。

わたしのなかの遥斗の時間は………もう、止まってしまったんだ。

それが動き出すことは、もうない。


わたしはそれを………受け止めなければならない。

もう、心の隅で期待してはいけない。

遥斗はいつか、前の遥斗に戻ってくれるなんて、いつの日か、わたしのことを見てくれるなんて、思っちゃいけないんだ。

心のどこかでそんな期待をしているから、今こんなにも苦しいんだ──。


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