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「この街も久しぶりだなあー」




それは、和佳菜がマークにパーティーで連れ去られ、世間を賑わせていた頃。


ロンスターダント街に足を踏み入れる1人の少女は、それはそれは愉しそうに笑った。


スキップをしながらホストやキャバ嬢が歩くネオン街をするりと抜けて、一軒のBARにたどり着く。


彼女の目的地はそこではなかったが、そこに行く前に少しばかり情報を集めるため、立ち寄った。


彼女の欲しい情報はそこら辺に歩いている人間へ到底持っていないであろうもの。


そんな情報をもつ人間に、心当たりがあった。


カランコロン。


昔懐かしいドアベルが、店内に鳴り響く。



「千歳(ちとせ)くんいるー?」


目的の人間がカウンターにいなかったのか、彼女は大声で叫んだ。


「はいはい、いますけど」


店の奥から “ 千歳 ”が姿を見せると、彼女は目を見開いて喜んだ。


「久しぶり、千歳くん!どお?元気だった?」


「おかげさまで元気だよ。…お前も、元気そうだな」


「うん!またこの街に戻ってくることになったの。よろしくね」


それを見た彼は、目を丸くして。


「お前、それだけを言いに来たのか?」


彼女は、口角をニッとあげると。


「そんなわけないでしょ?」


いじらしい子供の顔になった。


「まさか、仁の居所を忘れたとか?」


「獅獣の倉庫の場所も、仁のおうちの場所も覚えてるよ」


「じゃ、なにを?」


彼女はさも当然という顔で。


「水島 和佳菜と


仁の関係を教えて欲しいの」



千歳は驚いた顔をしてのけ反るが、彼女はさっぱり気にしていないようだった。






「仁?今度こそ、だあれも見えなくさせるからね?」








彼女の笑い声は、静かなBARにこだました…____。








to be continued______……