いつもは身につけない華やかなドレス。
いくらするのか想像もつかない豪華なアクセサリー。
気持ちが落ち着かないのも、全て1つの理由だ。
それは。
ピーンポーン…。
「はい」
「迎えにきたぞ」
「今行く」
お祖父様の誕生パーティーに参加するから。
迎えに来た琢磨はあたしの護衛で。
今日着た黒の背中が開いたドレスはドレスデザイナーのママがデザインしたもの。
だけど何故か正式に招待されたのはあたしだけで。
『琢磨もママも色々あって正式には出られないから、お祖父様に失礼のないようにね』
なんてこの前電話をした時にそんなことを言われた。
正式にはという言葉が引っかかったのだけど、今となってはママがそう言った理由は予想がつく。