挑む、と言ってもそれからすぐに仁になにかをしたわけではない。
あたしがしたことと言えば。
それから彼らと。
随分と仲良くなったことだった。
村上さんからは敬語はいらないと言われて。
翔と呼ぶことになったり。
幹部じゃない彼らとの鬼ごっこは久しぶりで随分と疲れたけど、楽しかった。
懐かしい感情があたしの中で巻き起こる。
…こんなに楽しかったのはいつぶりだろうか。
「そろそろ帰るわ」
彼らとの時間は楽しかったけれど、日が暮れてしまった。
いい加減帰らなければ、琢磨に怒られる。
あの人どうやって知ってるのか、あたしが夜8時を過ぎた時に外にいると必ず電話をかけてくるんだ。