南、と呼ばれる男がいた団体が去って。
あたし達3人、ポツリと立っていた。
だけと、彼らとのやりとりを見ていたギャラリーはあたしの周りの2人が注目を集めている。
やはり居心地が悪い。
待ち合わせをして、彼らの住処に行くだけなのに、どうしてこんな面倒なことに引っかかってしまうのだろう。
「あの、ありがとうございました。あたし、綾と待ち合わせしてるので、駅の反対側に行きます」
そう言ってお辞儀をすると、彼らの顔が破顔した。
「は?あんた、なんで俺らが迎えにきたか知らねえの?」
知るわけないじゃない。
連絡もとっていないこの状況で、知っている方がすごいんじゃないの。