「―……えーと、情報処理が追いつかない」


「?、どこら辺?」


「僕達が教えてあげるよ!どこ?翠蓮!!」


……慕ってくれるのは有難いが、何これ?


「飛龍?……異世界からのお客様って、何人いるわけ?」


ズラっと、揃いましたね。―人間ではないもの達が。


「んー、そうだなぁ。大体、十人くらい?」


「適当だね!」


「だって、自分が産まれる前のことなんてわかんないよ~」


軽ーく笑っている飛龍をはじめとして、飛燕、飛雪、紫艶、白華、綺宵、明宵に……動かぬ、二人の男女。


龍睡宮の一角。


唐突ですが、とある部屋にて集まった面々は、口々に、『儀式が近くなってきたから、とりあえず、今の状況を整理しようか!』と、現れた。


「待ってよ?毒に倒れたのは、蘇貴太妃様、向淑妃様……は、蘭怜ちゃんを隠すための偽装だったから、違うでしょ。えっと……呉徳妃様は大丈夫だったし……あ、そっか泉賢妃が倒れられたのか。あとは、秋遠様、雄星様……その他、官吏の方々よね。宮妓もいたな。えっと……それと……」


バタバタとしていたから、意外な人数がいると思いきや……高貴な御身分だと、被害はそう少なかった。


「亡くなったのは、妃では三人……いや、違うな。結局、何人だ……?」


記憶力はいい方だが、前世の記憶とか、めちゃくちゃで非現実的なものが多すぎる。


何が何だか、混乱して―……。