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―ここでは、愛されるための妃にならない。


(私は"薬師として”、妃となる)


そこに、剰余な想いは必要ないのだ。


そう、ほんの少したりとも。


後宮で必要なのは、皇帝に対する忠誠心。


そして、戦えるほどの技量だ。


……翠蓮が黎祥の妃になる選択を捨てて、薬師として、栄貴妃に仕える道を選んだのも、ここにある。


翠蓮には……自分の想いを留める、良い妃であり続けるために最も必要なことが、欠けていた。