ちなみに空の家の間取りはというと、


1階→お店・厨房

2階→リビング・バスルーム・空の両親の部屋

3階→空の部屋、物置


おおまかに言うと、こんな感じだ。








「う、うみちゃん、待ってってば!」

空の制止を無視し、パタパタと階段を登り、空の部屋のドアノブを握ったとき、











ダンッ!!
















後ろから私を包み込むような形でドアが抑えられ、目の前には空の両手があった。微かに洗剤の爽やかな匂いが鼻腔をくすぐった。


「そ、ら……?」



恐る恐る腕の間で振り返ると、空とほとんど同じ高さで目が合った。


(あれ……?空の顔、こんなに近くにあったっけ?)







空はムスッとした顔で、私の頬を両手で包んだ。


(えっ……!!)

不覚にもドキッとしてしまった。













「うみちゃん、僕だって男です!むやみに部屋に入らないこと!」


頬を膨らませた空が、至近距離で注意をしている。









「は、はい……」






分かればよろしい、と満足気にして手を離した。

「ちょっと待ってて、部屋を片付けてくるから。」


「……うん……」












……何だったのだろうか、さっきのは。

ーーー頬に残った熱は、一向に下がる気配がない。