あれは確か、小学校4年生のとき。

夢にうみちゃんが出てきて、とてもいい気分で起きたが、下着に変なものがついていたのでびっくりした。

起きて父に言うと
「空ももうそんな年かー。大丈夫だ、健康な男の証だよ」と言って頭をなでてくれた。

それを聞いていた母は、「あら、じゃあ『番(つがい)』もわかるようになるのね!おめでとう!」と言った。


これは後で知ったことだが、獣人の男子は精通、女子は初経を迎えると、自身の番を見分けることが出来るようになるのだ。


「つがいって、どうやって見つけるの?」

「そうねぇ、、、見た時にビビってしびれるようになるわね。お母さんも、お父さんを見た時そうなったわ!」

「ああ、お父さんもなったぞ。」

そういって共に獣人である父母はイチャイチャしはじめたので、僕は「ふーん」と言って朝ごはんにありついた。










今日は日曜日で、午前中にうみちゃんと遊ぶ約束をしていたので、彼女の家の前で待っていた。


少しして、ドタドタと足音が聞こえ、ガチャっとドアが開いた。

「あ、うみちゃん、おは……」




本当に、雷に打たれたようだった。
いつも可愛らしいうみちゃんに、さらにキラキラ補正がかかったようになった。




「空、おはよ…って、え、どうしたの!?」

僕はうみちゃんの手を引いて、自分の家に戻った。