ケータイ小説 野いちご

自由だねと、君は笑う

入学式での湖上君




例えば、前の席に長身のイケメンがいれば、興奮するだろう。





春。市のトップ高校に、首席入学した生徒がいる。

「爽やかな風が吹く季節となったこの頃です。本校には、今年も入学式がやってまいりました。市の難関校と言われる、名高い歴史を持つ我が秋園学院には、創立100年目にして、初となる首席入学者が2名います」

淡々と話す校長は、入学生ではなく、その後ろの保護者の方を向いている。
ウケが良いとでも思われたいのだろうが、作り笑顔を見れば、その下心は一瞬で見抜ける。

「ご紹介しましょう。1-A、三波路夕華!」

必然的にある女の子がライトアップされる。

「同じく1-A、湖上椎麻!」

次に男の子がライトアップされる。そういう機能が万全な学校だ。

「ではここで、代表で三波路夕華さんに受験までの心境をお聞かせ願います。三波路さん、檀上の方へ」

前列の私に微笑みかける。その笑顔が鬱陶しい。けれど、事前に話は進んでいたので、良い顔して受け答えなければいけない。

「承知です」

微笑み返す。そのまま立って、檀上に歩く。


-コツコツ


マイクがセットされた演台に立つ。
一呼吸置き、口を開いた。

「おはようございます。先程紹介にあずかりました、三波路です」

一礼して、笑んだ。
その時に、拍手が巻き起こる。



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