二人で、優しく甘い時間を堪能し、良樹は私をアパートまで送り届けてくれた。

「ありがとうございました」
「…」

何も答えること無く、良樹は私を見つめる。

私は何事かと問いかける。

「良樹さん?」
「…結愛とずーっと一緒に居られたらいいのに」

「…あの」
「結愛…一緒に…あの家で暮らさないか?」

突然の提案に、目を見開く。

「えっと、あの」

直ぐ答えがでなくて、シドロモドロになる。

すると、良樹はクスッと笑って、最後にこう言った。

「俺は本気だよ。だから、結愛も、本気で考えて。答えは急がないから」

頷いた私を見て、良樹は帰っていった。

車を見届けた私は、振り返り、アパートの部屋に入ろうとした。

…ドアの前に、長身のブラックスーツがよく似合う素敵な人が立っていた。

その人に近づいた私は、やっと誰かわかってその人に思わず抱きついた。

「光(あきら)!いつ、アメリカから帰ったの?嬉しい!連絡もなくて、心配してたのよ!」

私の言葉に、光は、優しく微笑むと、私を抱き締め返した。

「ただいま、結愛。向こうの仕事が一段落して、日本に帰ってきたんだ。これからは、いつでも会えるよ」

「ほんと?!話したいことが山ほどあるの!さぁ、入って」

私は、何の迷いもなく、光を部屋に招き入れた。