「ここが魔法界か・・・・・・」

あたしは、感嘆のため息をもらした

ども。精霊女王の美杏だ

あの退屈な屋敷から脱走を果たしてはや二日

ようやく、魔法界に到着した

さて、勢いで魔法界に来たがどうしたものか・・・・・・

とりあえず、偽名を考えよう

魔法界は、基本全員が魔法を使える

魔法使いは、契約精霊を呼び、魔法を使役することが可能だ

その精霊があたしに気づいて、屋敷の者に連絡したら、一巻の終わりだ

さすがに精霊女王をその目で見たことある精霊はそうそういないだろうが・・・・・・名前を聞いたら一発だ

念には念をいれねばならない

美杏・・・・・・みあん・・・・・・みあ?

よし、美愛にしよう

「さーて、どーしたものかねー」

手を頭の後ろに回し、ため息をついた

道の真ん中で立ち往生する訳にはいかねぇから、左側による

と、その時

どんっ・・・・・・

「ったー・・・・・・あ」

周りを全く見ていなかったあたしは、横にずれた瞬間、誰かとぶつかった

あたしは身長が152cmであるため・・・・・・その誰かに軽く頭突きをしてしまった

「あの、大丈夫・・・・・・」

大丈夫ですか、と続けようとしたが

息をのんだ

艶やかな黒髪のセミロング、ピンク色の頬

スラリと高い身長は、165cm前後

色白で、ぱっちり二重

それを縁取る綺麗なまつ毛

・・・・・・美少女だ

「あいたた・・・・・・あっ、ごめんね、大丈夫?」

その少女は、少し痛そうな顔をした後、ニッコリとあたしに笑いかけた

「だ、大丈夫だ」